小児心臓疾患

徳島大学病院心臓血管外科では1986年(昭和61年)に第二外科から独立する以前から現在まで数多くの先天性心疾患手術を行ってきました。

当院における小児心臓血管外科医療の基本方針としては

◎ 全ての種類の先天性心疾患に対応する。
◎ 徳島県内及び近隣の患者さんは出来るだけ徳島で治す。
◎ 難しい病態でも出来るだけ分かり易く説明し理解していただく。

上記について常に心がけて日々診療を行っています。

先天性心疾患のお子さんが生まれてくる確率は、出生100人に1人(約1%)と言われており、その原因には染色体異常のような遺伝要因によるものが全体の約13%、風疹や薬剤、喫煙などの影響によるものが約2%と言われていますが、残りの85%の原因ははっきりとはわからないということになります。
先天性心疾患を発症した患者さんは皆治療が必要という訳ではありませんが、半数以上はいずれかの時期に手術を要するとされています。

正常な心臓について

心臓は血液を体中に循環させるポンプとしてはたらいています。主に心筋という特殊な筋肉でつくられており、弁や壁により仕切られた4つの部屋(左心室、右心室、左心房、右心房)からなっています。また4つの大きな血管(大動脈、肺動脈、上大静脈、下大静脈)により体と肺につながっています。 全身でから還ってきた血液は酸素が少なく、これが右心室から肺へ送られ酸素化され、酸素の多い血液として左心室に戻ってきます。その血液が再び全身へと送られます。 それぞれの心室には入り口と出口に弁があり、血液が逆流するのを防いでいます。また正常な心臓では酸素の少ない血液(静脈血)と酸素の多い血液(動脈血)は心房中隔、心室中隔という壁に隔てられ混ざり合うことはありません。

先天性心疾患の分類

先天性心疾患は、心臓の壁に穴が開いているだけの単純なものから、それに加えて弁や血管まで病変を有していたり、本来4つあるべき心臓の部屋が少なかったりするような複雑なものまで多種多様ですが、次のように分類することが多いです。

1) 非チアノーゼ性心疾患

心臓内の壁、すなわち右心房と左心房を敷居している心房中隔や右心室と左心室を敷居している心室中隔に穴が開いているため、血液が左心房から右心房、左心室から右心室へと短絡することになり肺への血流が増加します。このため、穴が大きいほど肺はうっ血し、左心房や左心室の負担が増え、多呼吸、発汗過多、哺乳力低下、体重増加不良などを来す心不全を生じます。 代表的な疾患に、心房中隔欠損症、心室中隔欠損症、房室中隔欠損症、動脈管開存症があります。中でも、心室中隔欠損症は、先天性心疾患の中で最も多く、全先天性心疾患の50~60%を占めると言われています。

《例:心室中隔欠損症》

心室中隔欠損を介して肺への血流が増加します。
結果として肺から還流する血液が非常に多くなり左心室へ強い負担がかかります。
また肺への血流が多いことで肺高血圧を来たし肺血管にも障害が起きます。
多くは乳児期に手術治療を必要とします。

  • 心房中隔欠損症
  • 心室中隔欠損症
  • 房室中隔欠損症(心内膜床欠損症)
  • 動脈管開存症

2) チアノーゼ性心疾患(二心室疾患)

チアノーゼとは、顔や全身の色調が悪く、特に唇や指先が紫色になる状態を指します。健康な人でも、寒いところに長時間いたりするときなど末梢の循環が悪くなると生じますが、先天性心疾患におけるチアノーゼとはいわゆる全心的な低酸素血症のことを言います。
代表的なチアノーゼ性心疾患としてはファロー四徴症がよく知られていますが、全身から還流してきた血液の一部が右心室からそのまま大動脈の方向へと流れます。酸素の少ない血液(静脈血)と酸素の多い血液(動脈血)が混ざり合って全身へと送り出されるので、常に酸素濃度の低い血液が常に全身を流れるため、結果として皮膚の色や唇の色が悪くなるわけです。
チアノーゼがあると哺乳に時間がかかったり、泣いたり息んだりしたときに全身がまっ黒になり痙攣や意識消失をおこして非常に危険な状態に陥ることもあり、放置すると予後不良となる疾患がほとんどです。
代表的な疾患にはファロー四徴症完全大血管転位症、総肺静脈還流異常症など様々なものがあります。しかしその頻度は非チアノーゼ性心疾患よりも少なく、単心室疾患によるチアノーゼ性心疾患を含めても全先天性心疾患の30~40%程度です。

《例:ファロー四徴症》

心室中隔欠損、右室流出路狭窄があるため肺への血流が減少します。 また全身から還流してきた血液の一部が再び全身へと流れるため低酸素血症(チアノーゼ)を来します。

  • ファロー四徴症
  • 完全大血管転位症
  • 総肺静脈還流異常症

3)チアノーゼ性心疾患(単心室疾患)

通常は心臓は二つの心房、二つの心室を持っています。
しかし先天性心疾患の種類によっては何らかの異常により左右どちらかの心室が著しく低形成となることがあります。または心内の構造があまりに複雑であり二心室の形態に修復することが困難な場合があります。この場合には単心室疾患として治療する必要があります。
単心室の患者さんは出生後は一つの心室から肺と全身の両方へ血液を送り出す必要があります。ただし心室一つ分としては仕事量が多く非常に強い負担になるばかりか、せっかく肺へと送り酸素が多く含んで還ってきた血液が再度酸素の少ない血液と混ざり合ってしまうため非常に効率が悪い循環となっています。このため単心室として最も効率の良いとされているフォンタン循環を目標として治療を行っていくこととなります。
フォンタン循環とは一つの心室は全身へ血液を送ることに専念し、肺への血流は心室を介することなく上大静脈、下大静脈から直接流れることを基本とします。出生直後にフォンタン循環を成立させることは難しいとされており通常は2歳くらいまでかけて3段階に分けて手術治療を行うこととします。

《単心室循環》

全身から還流した血液と肺から還流した血液が心房、心室で混ざり合い非常に効率が悪くなります。
一つの心室が二つ分の仕事を行う必要があり、この点でも非効率的です。
全身と肺への血流バランスが悪いと心不全や低酸素血症となります。状況によってはこのバランスをとるための手術治療が必要となります。

《グレン循環》

最終目標であるフォンタン循環の前に行う手術です。
上大静脈を肺動脈と吻合し、上半身血が直接肺へ流れる様にします
心臓への負担が軽減することと、肺への血流量が安定することで全身状態が改善します。 通常は生後6ヶ月程度で行います。

《フォンタン循環》

下半身から還流する血液を人工血管を介して肺へと誘導させます。
全身から還流した血液のほとんど全てが肺へと流れるため低酸素血症(チアノーゼ)が改善します。
フォンタン循環における酸素飽和度の最高値は95%程度とされています。
全ての血液が心室を介さずに肺へと流れる必要があるため、全身の静脈圧が高いことが必要となります。

  • 三尖弁閉鎖
  • 左心低形成症候群
  • 無脾症候群

手術方法について

心房中隔欠損症や動脈管開存症では、カテーテル治療が行える場合もありますが、ほとんどの先天性心疾患の治療には手術が必要です。もちろん、手術が必要かどうかは疾患の種類や症状の重症度によって変わってきます。
基本的には根治手術(心内修復術)を目標として施行しますが、疾患によっては数段階に分けての手術治療を要する場合もあります。(姑息的手術) 細かい手術方法は各疾患の詳細ページで説明します。
先天性心疾患はその種類も重症度も様々ですから、治療も緊急を要するものから急ぐ必要のないものまであります。我々は、当院小児科の循環器専門医と綿密に連携を持ち、患者さんの病態、年齢、体格などを十分に考慮した上で治療方針を決定し実践しています。

手術方法

  • 胸骨正中切開

胸の中央にある胸骨という骨を縦に切開して心臓を露出させます。
大半の心臓手術はこの方法で行います。
疾患の種類や体格などによっては胸骨を部分切開し皮膚の切開範囲を縮小して行う場合もあります。
小切開手術について

  • 肋間開胸(横向きに寝て左胸の切開)

左側の肋骨の間からアプローチして左肺を避けた状態で行います。
動脈管開存症や一部の大動脈弓手術などの際に行います。

  • 肋間開胸(仰向けに寝て左前胸部の切開)

一部の動脈管開存症手術などの際に行います。 肺を圧迫することがないため呼吸状態への影響が少ないとされており、低出生体重児(2500g未満)における手術の際に行います。

人工心肺について

多くの心臓手術では循環や呼吸を補助するために人工心肺を使用する必要があります。 上下大静脈などに回路を接続し、心臓に還流する血液を人工心肺側に誘導します。
人工肺で酸素化された血液を大動脈に返します。

心停止下手術

心内に操作が及ぶ様な手術では心停止させた状態での手術とする必要があります。
心筋保護液という液体を心臓全体に投与することで心臓への負荷を最小限にした状態で心停止させておき、その間に必要な手術操作を終えます。

通常は十分に心筋保護が効いた状態での心停止時間が2-3時間程度までであれば心機能への影響はないとされています。

  • 心停止中も人工心肺からの送血は続いており全身への還流は保たれています。
  • 心筋保護液は冠動脈を介して心筋細胞の隅々にまで流れます。
  • 心内の手技が終わった後に大動脈遮断を解除することで再度冠動脈内へ血液が流れるため心拍が再開します。

手術が決まった方へ(手術前から手術後までの流れなど)

外来での説明(毎週火曜日午前、担当:心臓血管外科 菅野)

  • 小児循環器で心臓カテーテル検査等を終えて手術が必要と判断された患者さんは心臓血管外科の外来に紹介されます。
  • 病態や手術の必要性、詳細な治療内容などについての説明を行います。
    可能であればこの日のうちに手術日及び入院日を決定します。
    入院に際しての準備物や必要書類等の説明もこの日に行います。
外来受付
診察室

入院まで

  • 特別な制限はありませんが、風邪をひいたりすると手術予定日を変更せざるを得ない場合もあるので出来るだけ人混みの多いところに立ち寄るのは避けて下さい。また本人やご家族などは手洗い・うがいなどを十分に行い、感染症を避ける様にしてください。
  • 仮に手術の2週間前までの間に発熱(38℃以上)があった場合には下記まで連絡し、担当の小児科医師と対応を協議してください。
    月~金8:30~17:00 小児科外来:088-633-7132、夜間・休日 事務当直(時間外):088-633-9211
  • 予防接種等については生ワクチンであれば手術の4週間前まで、不活化ワクチンであれば1週間前までに接種し、それ以降には接種を控えて下さい。
  • 中止薬がある場合には手術までの間に内服を止めていただくことがありますので注意してください。(アスピリン、ワーファリンなど)

《お願い》

患者さんの病態によりますが、緊急的に手術が必要な他の患者さんが発生した場合には手術予定を変更せざるを得ない場合があります。
大変申し訳ありませんがその場合にはこちらからご連絡しご相談させていただくこともありますので、予めご了承ください。

入院から手術まで

  • 原則として手術2日前に入院していただきます。(ただし土日祝日を除く2日前)
    例)水曜日の手術 ⇒ 月曜日に入院
    月曜日の手術 ⇒ 前の週の木曜日に入院
  • 術前に点滴治療が必要な場合には手術の1週間前に入院しないといけない場合もあります。
  • 小児科病棟(西病棟3階)への入院となります。
  • 6歳未満の患者さんについては基本的に親御さんの付き添いが必要です。
  • 手術の前日21時以降は絶食となり水分のみとなります。
  • 乳児については最終の哺乳は当日の7時くらいまでとなります。
病棟面談室
手術前日までに手術についての詳細な説明を行います。

*小児科病棟への入院案内については徳島大学病院小児科のHPもご参照ください。

手術当日~ICU入室まで

  • 最終の水分摂取は7時くらいまでで、その後は絶飲食での待機となります。
  • 通常の予定手術では朝9時に手術室への搬入となります。
  • ご家族の方は手術室の前で申し送りを終えた後は一旦病室での待機となります。
  • その後当日11時30分からICU, HCU入室予定者に対してのオリエンテーションがありますので、その際に詳細な説明があります。
  • オリエンテーション終了後、ご家族は家族控え室で待機していただきます。
    (院内での移動は自由ですが、1名は控え室で待機する様にしてください。また控え室から離れる際は携帯電話等が繋がる状況にしておいてください)
  • 手術直後はICU(集中治療室)に入室します。必要な処置を終えた後にベッドサイドで執刀医から術中の様子や術後の状態などの説明を行います。
  • ICU、HCU入室の際にはマスク着用が必須となっています。各自でのご準備をお願いします。
家族控室(中央診療棟4階)

集中治療病棟(ICU、HCU)にて

  • 心臓手術後は一般的には全身麻酔がかかったままの状態でICUに入室します。
  • 循環、呼吸が安定した段階で麻酔を覚まし人工呼吸器からの離脱を行います。いつ目を覚ますことが出来るかは病気の種類によりますが、新生児期の手術では5-7日、乳児期の手術では術後3-5日程度の鎮静期間が必要となることが多い傾向です。それ以上の患者さんでは基本的には当日夜または翌日に人工呼吸器からの離脱を行います。
  • 人工呼吸器から離脱した後であっても呼吸や循環がまだ不安定である時などについてはICUで管理します。
  • 人工呼吸から離脱し、循環や呼吸がある程度状態が安定したところでHCUへと移ります。
  • 創部にドレーンが留置されている間などはHCUでの管理となります。
  • ICU、HCU入室中は病院の病衣を着用することが必須となっており申し込みが必要です。(有料)

*ICU、HCUでは面会時間の規定があり、以下の時間帯の中でご都合の良い時に面会できます。
13:00~16:00
*面会者は2名までで、30分以内の面会が可能です。

*対面での面会の代わりに、タブレット端末を用いたWeb面会を行うことが可能です。
(詳細については手術終了後にICU看護師に確認してください)

ICU
HCU個室

一般病棟~退院まで

  • 手足の点滴や心電図モニター等のみとなったら小児科病棟(西病棟3階)へと転棟します。
  • 小児科病棟に移った段階では大抵は歩行等のリハビリが行える状態になっています。
  • 術後1週間で抜糸します。傷の治りが問題なく点滴が抜けていれば沐浴(シャワー浴)が可能となります。
  • 術後2~3週間経過したところで傷の治りや血液検査やレントゲン検査、超音波検査での異常がなければ退院を検討します。
  • 患者さん本人は検査やリハビリ等、医師が許可した状況以外では病棟外には出られない規則となっています。(ご家族が交代や買い物で出入りすることは可能です)
  • 面会については高校生以上で発熱(37℃以上)がない親族については可能です。
《小児科病棟の設備》

デイルーム & プレイルーム   *プレイルームの壁は落書きOKです。

コインランドリー
シャワー室
沐浴室
処置室
病棟エコー室
《徳島大学病院の設備》

徳島大学病院HPの“施設のご利用案内”をご参照ください。

外来通院、通学再開まで

  • 退院してから1週間~10日後くらいに最初の外来受診を行います。(毎週火曜午前)
  • 小児科外来を受診し、その後心臓血管外科外来を受診するという順になります。
  • 病気の種類によりますが、最初の外来受診の段階で手術から1ヶ月程度が経過しており、問題なければ通学等を再開することを検討できます。
  • 手術後の予防接種については一定期間空けてから接種可能です。
    ◎手術に際して輸血を行った場合
     不活化ワクチン・BCG・ロタ ・・・ 4週間後から可
     生ワクチン(麻疹風疹混合/水痘・おたふく風邪) ・・・ 3ヶ月後から可
    ◎手術に際して輸血を行っていない場合
     不活化ワクチン、生ワクチンとも ・・・ 4週間後から可
  • 心室中隔欠損症や心房中隔欠損症など、比較的単純な心疾患の場合は術後1年程度心臓血管外科外来を受診していただいた後、小児科外来のみの通院となります。
  • 複雑心疾患や長期の経過観察を要する疾患の場合には術後の全身状態が非常に良くても約1年毎の間隔で受診していただいています。
《緊急連絡先》

月~金 8:30~17:00 心臓血管外科外来 088-633-7150、小児科外来 088-633-7132
夜間、休日 事務当直(時間外) 088-633-9211

胸骨コルセット着用について

  • 心臓手術で胸骨正中切開を行ったお子さんの中には術後に胸骨が突出することがあります。
  • 心機能上の問題はありませんが、美容上気になる場合にはコルセットでの矯正が可能です。
  • 術後一定期間経過後、ご希望がある場合は患者さん毎に適切なサイズのコルセットを注文します。
    *定価は60,000円程度で全額一時払いが必要ですが、各種助成制度により大半が還付されます。
    *各種申請については必要時に外来にて説明致します。
  • 通常は6ヶ月程度着用した上で効果があれば終了とします。途中装着後1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、6ヶ月時に外来受診していただきます。

*詳細は取り扱い業者(株式会社 アネックス ラボ)のHPもご参照ください

当院での取り組み

小切開手術

胸骨部分切開

心房中隔欠損症、心室中隔欠損症などの比較的単純な心疾患で緊急性の低い患者さんでは胸骨部分切開での手術が行える場合があります。皮膚切開の範囲も縮小して行うため美容的にも良いとされています。
概ね身長の7%程度の切開で行うことを目標としています。
例)身長90cm ⇒ 皮膚切開 6.5cm程度

当院では体重7kgの患者さんまで小切開手術を施行した実績があります。

低出生体重児に対する手術

動脈管開存症では低出生体重児でも手術治療を行います。 仰向けで左側の肋間開胸で行い動脈管を縫合糸で結紮します。
呼吸状態や全身状態が悪い患者さんでも状況により適応が可能です。

当院では体重510gの低出生体重児に対する手術実績があります。

成人先天性心疾患に対する手術

先天性心疾患の中には稀に成人期まで発見されない方もいます。或いは小児期に手術治療を行い、遠隔期の問題点のために再手術が必要となることもあります。この様な方々については先天性心疾患における問題点に加え、成人期特有の問題点(高血圧、高脂血症、糖尿病)なども合併していることがしばしば認められます。
徳島大学病院ではこれまでに約40年間の先天性心疾患の治療実績があります。加えて成人心疾患についても全ての分野を網羅していることから、各分野が協調して治療に当たることが可能です。
例) ・ファロー四徴症術後遠隔期の肺動脈弁狭窄 + 狭心症
   ⇒肺動脈弁置換術 + 冠動脈バイパス術

よくある質問など

Q1.術後の痛みは強いですか?

⇒ 心臓の手術は胸骨を切開して行いますが、術後は胸骨がしっかりと固定されているので強い痛みが持続することは少ないです。
ただし痛みの感じ方は人それぞれであるため、必要に応じて痛み止めを使用し対応します。

Q2.骨はどのくらいでくっつきますか?

⇒ 術後2ヶ月くらいするとある程度くっついており、術後3ヶ月もすると通常は完全に強度が元通りと考えてよいと思います。
それまでの間は重いものを持ったり胸骨を直接圧迫する様な行為は避ける様にしてください。小学生であればランドセルを背負ったり鉄棒やドッジボールを行うのもこの期間だけは控えて下さい。

Q3.お風呂はいつ頃から入れますか?

⇒ 術後1週間が経過し抜糸を終えて点滴も終了していれば可能です。
入院中は沐浴(シャワー浴)のみですが、退院後は通常通り湯船につかっても問題ありません。傷はボディーソープ等を用いて優しく洗うようにしてください。
*昔は傷を洗ってはいけないという迷信が信じられていました。現在では傷はできるだけ清潔な状態に保つのがよいとされていますので、綺麗に洗ってあげてください。

Q4.退院後の注意点は?

⇒ 風邪等の感染に十分に気をつけて下さい。
術後は一見十分元気になっていても免疫力も含め完全に回復するのに少し時間がかかります。術後1ヶ月くらいまでの間はリスクが少し高めですので、親御さんも含め十分に手洗い・うがいを行い予防に努めて下さい。
また感染の疑いがある人との面会や、人混みに入ることを控える様にしてください。

以上の内容の中でご不明な点などがあればお気軽にご質問ください。

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