過去の新年の挨拶

2022年のご挨拶

「2022年 年頭所感」

 昨年は全国的に新型コロナウイルス感染症との闘いが続く中、徳島大学病院ではそこまで大きな混乱はなく心臓血管外科としても比較的順調に職務が遂行できました。相変わらず医局は5人体制のままですが成人・小児・大血管・末梢血管・血管内治療それぞれの領域で安全確実な手術に取り組み、手術数も順調に増加して主要開心術数(TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)やTEVAR(胸部大動脈ステントグラフト内挿術)を含む)は180例を超え過去最多更新となりました。昨年の手術におけるトピックとしてはインペラ(補助循環用ポンプカテーテル)の使用開始やsutureless弁(糸を結ばずに固定できる大動脈弁)の徳島県内第1例目使用という新たな取り組みに加え、弓部大動脈瘤に対するtotal debranch TEVARや弁膜症に対する小切開低侵襲手術(MICS)の施行数の増加などがあり、今後も引き続き国内・外の先進施設に遜色ない先端医療をご提供していきたいと考えています。また他のトピックとしては、昨年11月に当科主催で市民公開講座を開催いたしました。詳細は当科ホームページをご覧頂きたいのですが、WEB開催となったにもかかわらず多くの方々から好意的な反響を頂き、今後もこのような教育・社会貢献につながるイベントを継続して行っていきたいと考えております。

 さて、今年の干支は「壬寅(みずのえ・とら)」、陰陽五行説では「陽気を孕み春の胎動を助く」、冬が厳しいほど春の芽吹きは生命力に溢れ華々しく生まれることを表していると言われています。社会では「コロナを克服し新しい世界を構築していく年にふさわしい」と言われていますが、我々徳大心臓血管外科に当てはめると4月に待望の新入局医師が加わってくれる予定であり、まさに華々しく新たな展開を迎えていく年になりそうです。今後も継続的に入局者を増やして徳大心臓血管外科を発展させ、徳島ならびに四国の医療に貢献していきたいと思っています。一方で、「壬寅」には、「春の胎動が大きく花開くためには地道な自分磨きを行い実力を養う必要がある」という意味もあるそうです。我々も、各自が一層責任をもって職務に当たり、安全確実かつ先進的な医療をご提供していきたいと考えています。今後も徳大心臓血管外科に是非ご期待・ご注目下さい。

 本年も徳島大学心臓血管外科を宜しくお願い申し上げます。

徳島大学心臓血管外科教授
秦広樹

2021年のご挨拶

「着任後1年を経過して」

 2020年2月1日に徳島大学心臓血管外科に着任し早くも1年が経過いたしました。まったく新しい環境での仕事と生活のスタートには少なからぬ不安(と希望)を抱いておりましたが、何とか無事に船出できたかと考えています。これもひとえに地域病院の先生方や院内の循環器内科・麻酔科・集中治療部・臨床工学部・看護部等の多職種の方々と連携して診療にあたってきた成果の現れと考えています。皆様方にはこの場をお借りして御礼申し上げます。

 着任時、徳島大学心臓血管外科は私を含め4人での診療体制でしたが、2020年4月より佐村医師が赴任して5人体制となり、成人・小児・大血管・末梢血管・血管内治療の幅広い領域をカバーできるようになりました。おかげさまで手術数も順調に増加し主要心臓大血管手術数は140例を超え過去最多となりました。最近では当科の強みである先天性心疾患手術、TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)や大動脈ステントグラフト内挿術などの血管内治療に加え小切開低侵襲手術(MICS)の施行数も増加しており、国内・外の他施設に遜色ない先端医療を今後も安定してご提供していきたいと考えています。

 大学病院の使命には「診療」の他に「教育」と「研究」があります。「教育」面では講義や実習指導でほぼ毎日医学部学生に接する機会があり、心臓血管疾患の病態や外科的アプローチを教えるとともに心臓血管外科の魅力を積極的に伝えてきました。その甲斐もあったのか隔月で開催しているwet labo.には多くの学生(2年生から6年生まで)・若手医師が参加してくれ非常に好評を得ており、今後の医局員増を大いに期待しているところであります。「研究」面では学会発表が数件のみで十分な活動とはいきませんでしたが、今後も臨床研究から学会・論文発表を継続的に行い基礎研究にも幅を広げていきたいと考えています。

 この1年間では専ら「診療」「教育」「研究」の土台構築を行ってきましたが、今後は各領域でさらなる飛躍を目指して新たなチャレンジを継続していきたいと考えています。また、当HPをご覧の患者様とそのご家族の皆様には「安心を与える医療」の提供をお約束いたします。

 今後とも徳島大学心臓血管外科を宜しくお願い申し上げます。

徳島大学心臓血管外科教授
秦広樹

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