巻頭言
教授挨拶
2020年2月1日より徳島大学心臓血管外科教授に就任いたしました秦 広樹です。徳島大学心臓血管外科は昭和61年に当時の徳島大学第二外科から心臓血管外科研究室が独立するかたちで開設され、加藤逸夫先生が初代教授を務められました。その後2000年に北川哲也先生が第二代教授に就任され、私が三代目に当たります。
私はこれまで冠動脈疾患や弁膜症、心不全といったいわゆる成人心疾患に対する治療を行ってきました。元より徳島大学心臓血管外科は先天性心疾患手術件数が多いことが特徴の一つであり、また、TAVI(経カテーテル的大動脈弁留置術)や大動脈ステントグラフト内挿術などの血管内治療を盛んに行っている点も特徴であります。今回私が赴任させていただき、今後はほぼ全ての心臓血管疾患に対応して参りますし、さらには低侵襲手術や先進的医療も順次すすめていく所存です。
大学病院においては臨床診療のみならず教育、研究も重要な分野です。心臓血管外科に興味のある医学生や若手医師の諸君にとっては、手術手技や周術期管理にとどまらず、医師としての教養や人間性を伝えていくとともに、基礎・臨床研究や論文作成の楽しさを分かち合い、バランスの取れたAcademic Surgeonに育って頂きたいと考えます。心臓血管外科に興味がある医学生や若手医師の皆さんは気軽に見学に来てください。
患者さまに対しては、我々心臓血管外科各分野の専門医だけでなく循環器内科など他診療科や看護部、臨床工学技士など多職種がコラボレーションしたハートチームで診療に当たります。心臓血管疾患の手術は決して怖いものではなく、治療せずに放置しておく方が怖いとも言えます。我々は、徳島県内や近隣にお住いの方々に安全で確実な最善の治療をご提供していくことをお約束いたします。どんなことでもお気軽にご相談下さい。